お役立ち情報頼み方と進め方

「完璧な回答だったのに、中身がスカスカ」生成AI時代のエキスパート選定で見るべきポイント

整った回答の板も、裏から見ればつっかえ棒で立っているだけかもしれない。

「SQへの回答は完璧だったのに、インタビューで得られた情報が薄かった」

最近、こうしたご相談が明らかに増えました。

SQ(スクリーニング質問)とは、インタビューを実施するかを決める前に、エキスパートの専門性を確認する3問ほどの事前質問のことです。経歴だけでは見抜けない実務経験の有無・知見の深さを、本番前に確かめる役割を担っています。 

このSQの仕組みが、ここ数年で揺らぎ始めました。 生成AIで回答を補強する候補者の急増です。テキスト上は整っているのに、現場の手触りがない。経歴と回答テキストだけでは見抜けません。

「SQが整っていれば質は担保できる」という業界の前提は、正しいとは言えない時代になりました。

事前質問を送って、テキスト回答を受け取って、論点が揃っていれば本番に進める。この長年シンプルだった流れが、もう質の保証にならなくなっています。

AI補強回答に出る4つの兆候・テキスト段階で察知する

AIで補強された回答には、共通の癖があります。Resoryのエキスパートリクルーターは、テキストの段階で4つの兆候を見ています。

1つめは、関与・非関与の境界が出てこないこと。

本物の現任者は、すべての論点に答えられるわけではありません。「この領域は自社では関与していない」「ここは隣の部署の管轄」と切り分けるのが自然な反応です。AI回答はこれが弱く、すべての論点に均等に答えてしまいます。

2つめは、固有の業界用語が浮かないこと。

ある業界、ある地域、ある時期にしか使われない用語があります。直近の半導体材料案件で、欧州大手化学メーカーのテクニカルセールスディレクター、在籍14年というプロフィールの候補者がいました。論点はすべて押さえている。ところが、特定のサプライチェーン規格の呼び名や、欧州ローカル特有の呼称が一切出てこないのです。

直接電話を入れて10分話したところ、そのエキスパートは3年前から本部の管理業務に移っており、顧客との直接接点は途切れていることが分かりました。経歴は正しい、専門知識もある。ただし、いま事業判断のために聞きたい「最新の顧客の声」は持っていなかったのです。

3つめは、数字の粒度が一律であること。

本物の回答は、答えられる項目と答えられない項目で具体性に濃淡が出ます。AI回答は全項目で同じ滑らかさで数字を出してきます。ドイツ製造業の標準化ワーキンググループに2013年から関与するシニアエンジニアの方は、「この枠組みは自社では関与していない」と素直に切り分け、関与領域は管轄省庁や組織名まで踏み込んで答えていました。濃淡の出し方そのものが、いまも現場にいる人の特徴です 。

4つめは、即答性のなさ。

これはテキストでは検出できません。最後の判定は、クイックコールに持ち込むことが鉄則です。

クイックコールでやっているのは「2階層下の質問」

テキストで違和感を察知した時点で、エキスパートリクルーターが直接電話を入れます。ここで重要なのは、電話で何を聞くかです。Resoryのリクルーターは、SQでは投げなかった「2階層下の質問」を投げます。

東南アジアの食品工場の案件で、現地のエンジニアリングマネージャーのSQ回答を見たときの話です。「日々追っているKPI」という設問に、「MTTR、MTBF、OEE」と即答していました。

電話で踏み込みます。「MTBFの目標値はどう設定していますか」「過去半年でMTTRが悪化した工程はどこですか」。回答は反射のように出てきました。具体的な工程名、改善の経緯、現場の人員配置まで、追加の質問なしに語ってくれます。AI回答にはまねできない、現場のリズムです。

欧州の産業機械メーカーの案件では、別の角度の確認が効きました。SQで「PLC開発の優先順位はSiemens→Schneider→Omron、ABBは限定的」と国別の順序まで踏み込んだ回答が来ていました。電話で「ABBが限定的なのはどの製品ラインで多いですか」と聞くと、ラインの種類と顧客側の事情まで自然に出てきます。これは現場を回している人にしか言えない情報です。

逆の例もあります。SQでは流暢でも、電話で「先月の社内会議で議論になった論点は」「直近1か月で取引先と話した内容で印象に残っているものは」と聞いた瞬間に、答えが止まる候補者がいます。これがAI補強の典型的なパターンです。Resoryのリクルーターは、5分から10分の電話で、こうした「2階層下に踏み込むと止まる候補者」を確実に外しています。

クイックコールで何を聞くかと、本番60分のインタビューで何を聞くかは、設計思想が違います。前者は「本物かを見極める」ための質問、後者は「本物から情報を引き出す」ための質問です。本番側の設計術については「エキスパートインタビューの質問設計|60分で本当に欲しい情報を引き出すコツ」で詳しく扱っています。 

AI検出ツールで自動判定できるか?

「AI検出ツールで自動判定できないのか」と聞かれることがあります。テキストパターンでAI生成を検出するツールは存在します。

ただし、SQ回答は短く、文体も業務文書寄りです。AIで補強された回答は、自動検出の精度が安定しません。本物の業務文書でも誤検出が出ます。最後の判定は、いまのところ人間の電話に勝るものが見つかっていません。

Resoryは完全成果報酬型のため、インタビューが実施されるまでは費用が一切発生しません。エキスパート候補のリサーチ、SQ送付、違和感があったときのクイックコールまで、本番前の工程はすべてResory側で負担しています。質を見極めたエキスパートだけが、本番インタビューに進む仕組みです。 

まとめ

SQの回答が整っていることと、エキスパートの質は、もうイコールではありません。違和感を察知し、2階層下の質問を電話で投げる。誰もがAIを使う時代だからこそ、Resoryはこの工程に人の手間をかけています。 

ご相談はお気軽に

「SQの回答は良かったのに、本番が薄かった」。心当たりのある方は、Resoryまでお気軽にご相談ください。完全成果報酬型のため、候補者の質感までご確認いただいてからご判断いただけます。

現地の人に聞いて、分かったこと

この記事に近い、競合の動きの事例です。何を知りたくて、どの会社のどんな仕事の人に聞き、相手がどう答えたか(一部を要約)を載せています。

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