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2022.09.17

【世界を席巻する韓国ドラマとK-POP!!】海外進出を前提とした韓国コンテンツの戦略

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 2003年に韓国のドラマ『冬のソナタ』が日本で放送され、大きな反響を呼びました。これが火付け役となって、韓流ブームが巻き起こり、以来約20年経った今でも、韓国ドラマは人気を博しています。日本では若者のテレビ離れが進み、最近では高視聴率を取るドラマの話題も少なくなり、低迷気味と言えそうです。そして、韓国ドラマやK-POP(韓流POP)は、日本のみならず、世界でも認知され、その人気の高さには定評があります。国内に止まりがちな日本のドラマや音楽とは、全く好対照の現象になっています。なぜ、ここまで韓国物は、海外でも人気を獲得できるのでしょうか?これは韓国のビジネス全体にも言えることですが、そこには当初から世界進出を意識した戦略が隠されていると考えられます。どうも日本は海外に目を向けることが苦手なのかもしれません。今回の記事では、韓流のPOPカルチャーを取り上げて、その強さの秘密に迫ってみたいと思います。

Contents

1.海外輸出が前提の韓国コンテンツ

2.内向きな日本のコンテンツ戦略

3.ネット配信で一気に世界へ!

4.K-POP歌手は語学が得意

5.まとめ  

海外輸出が前提の韓国コンテンツ

 まず韓国は人口が多い国ではなく、国内マーケットの規模が限られているという制約があります。どのようなビジネスを展開するにせよ、国内+海外市場への進出を目指さなければ、商売を大きくしていくことができません。これはドラマや音楽といったコンテンツ業界にも当てはまります。したがって、当初から海外に向けて配信されることを前提にマーケティング戦略が立案されることになります。もちろん、クオリティーも世界で通用することが意識されて作られますから、自ずとレベルが高いものに仕上がります。さらに韓国政府もコンテンツを海外へ輸出する重要性を認識しているため、韓国コンテンツ振興院という機関を設置しているくらいです。この機関では、映画やドラマの制作費の補助や人材の養成などにも取り組み、まさに国を挙げて、韓国コンテンツの底上げを図っているというわけです。そもそも韓国人の根底には、海外志向が強くあります。中国人にも同じことが言えますが、早くから子供を海外に留学させる傾向は、日本より遥かに顕著です。また、サムスンやLGと言った韓国を代表する大手企業も新興国の市場開拓において、およそ日本企業よりは、いち早く着手しているというケースが少なくありません。こういった韓国の海外への拡大気質が、韓国ドラマやK-POPの成功も導いていると言えるでしょう。

内向きな日本のコンテンツ戦略

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 日本の映画やドラマ、音楽も海外で活躍していることは間違いありません。特にアニメについては、世界中で広く人気を得ており、諸外国に負けない圧倒的な強さを誇っています。しかし、俳優や歌手のハリウッド進出、昨今の海外でのコンテンツ配信状況を見てみても、いま一つパワーに欠けるという印象が拭えません。ドラマや音楽については、海外に打って出るという姿勢が、韓国と比較してみると、かなり乏しいというのが実態でしょう。とにかく日本で流行りさえすればいいという内向きな発想が色濃く残っているのではないでしょうか。確かに「クールジャパン」という日本産コンテンツを積極的に海外輸出しようという国の政策はありますが、韓国産の勢いを見るにつけ、どうしても引け目を感じてしまいます。内容自体は面白くて、良いものであっても、自国内に止まってしまうのは、他の産業にも共通しますが、やはりビジネスとして、海外進出が得意ではないのでしょう。もともと日本人は外向きとは言えないのかもしれません。海外留学者数も減少してきており、若いうちから外国を主戦場と捉える意志が、ますます弱くなってきているのではないかと思われます。

ネット配信で一気に世界へ!

 韓国では、2006年にケーブル放送局が、2011年には有料ケーブルテレビ局が開局し、テレビドラマ制作の担い手が大きく拡大しました。そして、こういったケーブル局が制作するドラマの一部が、ネット動画配信の世界最大手であるNetflixに配信委託されたことで、ここ最近の韓国ドラマの更なる世界への飛躍を生み出すことになりました。中でも大ヒットとなった「愛の不時着」は、190ヶ国に配信されたことで、韓国ドラマという一種のブランドが、世界に浸透し、押しも押されもせぬ地位を築き上げることになりました。この他にも「梨泰院クラス」、「賢い医師生活」といったドラマもNetflixで独占配信され、韓国ドラマ界の強かなビジネス戦略が功を奏したと言えるでしょう。ドラマの放送が終了した後にDVD化やレンタルで稼いでいくという日本の旧来の方式は、もはや世界では全く通用しなくなっています。如何に世界中で視聴してもらえるように配信パートナーを選んで、収益スキームを構築していくことができるのか?これからのコンテンツビジネスにとって、不可欠な課題です。

K-POP歌手は語学が得意

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 今から30年近く前、台湾籍のテレサ・テンが日本でブームとなりました。今でも大人気で、多くのファンに親しまれています。何より日本語が上手であったことも日本で受け入れられた理由というのは、言うまでもないでしょう。そして、少女時代、KARA、東方神起といったK-POPアイドルも日本語や英語が非常に堪能です。外国人歌手が自国語で話したり、歌ったりできるというのは、その国でウケる重要な要素と言えるでしょう。韓国語以外の楽曲もあるからこそ、K-POPは日本をはじめ海外でも新たなファンを獲得できるというわけです。どこかほかのビジネスとも似ている気がします。少なくとも英語ができなければ、海外ビジネスが展開できないのと同じです。やはり外国語が苦手な傾向にある日本人にとっては、ポップカルチャーの世界でも、これは大きなハンデキャプとなっているのかもしれません。

まとめ

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今回は韓国を取り上げましたが、台湾のドラマや音楽も日本では一定の人気があります。海外のコンテンツがどんどん日本に輸入されてくる中で、是非日本のものも世界に向けて発信・輸出が活発になって欲しいと願うばかりです。日本のコンテンツは内容が問題なのではなくて、ビジネスとしての推し進め方や戦略性にやや物足りなさがあるだけです。もっと世界を意識して売り込んでいくというがむしゃらな姿勢が必要なのではないでしょうか。そして、今後日本のコンテンツ産業が巻き返しを図れるよう、国としての支援や施策も重要になってくるのではないかと思います。Resoryでは世界各国で活躍する様々な業界のエキスパートと強力なネットワークを構築して、海外でのマーケティング・リサーチのお手伝いをさせて頂いております。もちろん、今回取り上げたテーマに関するエキスパートとの連携もございます。エキスパートと協業して、インタビューやアンケートなどを通じて、インターネットや既存メディアでは決して入手できない海外の活きた生情報をご提供させて頂くことが可能です。本ブログのテーマについて、実際にもっと奥深い内容や具体的な情報をエキスパートから収集することもできます。本ブログについて知見を持っているエキスパートから一次情報を聞いてみませんか?もし、エキスパートに聞いてみないと分からないことがございましたら、お気軽にコチラ(https://resory.jp/contact/)からお問い合わせ下さい。皆様からのご連絡を是非お待ち致しております。