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2022.09.10

広告は国を映し出す鏡

 

 近頃はテレビを見る人が、少なくなっていると言われます。代わりにスマホでテレビをはじめとするメディアを視聴する機会が多くなってきたのではないでしょうか。こういった風潮に合わせて、コマーシャルなどの広告もスマホで見て、情報入手することが圧倒的に増えたと思います。そもそも広告には、その国の風格というか味のようなものが感じられます。旅行などで海外を訪れた際、様々な国々の広告を見てみると、よく分かります。そこから醸し出される雰囲気というのは、やはり街並みと同じで、日本とは異質なものです。違う国の人がその国の消費者に向けて制作するわけですから、当然と言えば当然です。日本の広告は精緻、欧米は大胆、中国や東南アジアはシンプルといった印象でしょうか。今回のブログでは、日本と海外の広告を比較して、それぞれの持つ特徴や国民性が如何に反映されているのかについて、見ていきたいと思います。

Contents

1.消費者に考えさせる広告・日本

2.商品やブランド本位でPRする・欧米

3.分かり易くシンプルに・東南アジア

4.まとめ  

消費者に考えさせる広告・日本

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日本のテレビ・コマーシャルなどを見ると、日本の広告は本当に凝っているという感じがします。広告というのは、消費者に向けたメッセージですから、日本のように高度化した消費者の国では、それだけ広告の内容もレベルが高い仕上がりとなります。ショートムービーのようなものから、最後まで見ないと、一体何の商品のコマーシャルなのかが分からないような考えさせられるものまで、実に様々です。逆に言えば、新興国のように消費者が発展途上のステージにある国々では、広告は至ってシンプルに作られていると言えるでしょう。経済成長が円熟し、誰もが豊かに生活している日本では、消費者に商品を購入してもらうためには、広告にもそれなりの創意工夫が求められます。また、細やかさや周囲への配慮といったカルチャーが根付いている日本では、単に商品の利用価値をPRするだけではなく、節約や環境に優しいなどといった付加価値の提案も欠かせません。広告の作り手としては、こういった日本の聡明な消費者に向けて訴求するため、日本らしい精緻な広告が一般的に浸透していると言えそうです。ちなみに日本には、他社と比較して、自社商品の方が優れているといったような比較広告を禁止する法律があります。したがって、同業者を誹謗中傷する過激な表現や攻撃的な内容の広告も自粛されています。海外では、あからさまに他社より優れていることをアピールする広告も結構見られますが、こういったところにも、日本的な和を尊ぶ精神が感じられると思います。

商品やブランド本位でPRする・欧米

 ある調査によると、テレビ広告で有名人を起用する割合は、日本がずば抜けて高いそうです。全体的に見ても、韓国・中国・東南アジアも高い方で、欧米の起用率は低くなっています。これが意味するところは、日本やアジアでは、有名人を使った方が、広告効果が高いと考えられているということです。有名人の力を借りて、商品の魅力を補っているという見方もできます。一方で、欧米では商品やブランドが持つ固有の力で、消費者に訴えかけているということです。有名人に商品の良さを代弁してもらうというのは、余計な作業なのでしょう。あくまで商品やブランドを前面に押し出して、真っ向から消費者にPRしていく姿勢が鮮明です。何とも欧米らしい発想ではないでしょうか。欧米人は個人の自己主張もはっきりしていますから、他者を介在させるという考え方は、広告においても希薄かもしれません。また、欧米の商品には、日本と比べても長い歴史を有するブランドが多数存在しています。それだけ商品やブランド本位で勝負できる素地があるわけですから、飾りは要らないということです。

分かり易くシンプルに・東南アジア

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 まだまだ経済発展の真っ只中にある東南アジア諸国。外資系企業の進出も続いています。そのような環境から、外国文化の影響を受けながら、自国が成長途上にあるとも言えます。広告を見てみても、そのような片鱗を窺うことができます。もともと自国にはなかった物が、海外から輸入されたり、或いは外国企業が自国で生産・流通させるわけですから、日本や欧米風のPRにもなりがちです。典型的な例としては、自動車やアパレルなどを中心とした高額品が挙げられるでしょう。外国人モデルが出演するテレビ広告やポスターを見掛けることが多いと思います。海外情緒を煽って、特に富裕層向けに購買を喚起する仕掛けです。そして、発展途上国で何より気に留めて置かなければならないことは、食料や日用品の購入が最も優先的であるということです。つまり、こういった生活必需品については、価格と使用価値がダイレクトに消費者に伝わらなければ、数あるメーカーの中から、自社商品を選んでもらうことができません。日本のように、消費者としての経歴が充実しているわけではないため、とにかく生活コストに直結するような商品は、あれこれ考えるまでもなく、分かり易くかつシンプルに宣伝される必要があるのです。例えば、洗剤のパッケージ自体に通常品より安い価格がすでに印刷されていて、お得感を大々的にアピールしているものなどがあります。毎日のようにスーパーで買い求める商品は、売り場が戦場で、一瞬で消費者の目に止まるかどうかが、生命線です。したがって、広告デザインも一目瞭然であることが、重要なファクターになっていると言えるでしょう。

まとめ

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広告にお金を掛けられるということは、それだけその企業や国が豊かであることを示しています。お金が無ければ、広告を打つこともできません。経済が発展するにしたがって、広告の内容やバリエーションも豊富になっていくのでしょう。その意味では、これから東南アジアなどの広告が楽しみなところです。そして、社会発展に伴って、商品の広告だけではなく、マナーなどの公共広告も充実してくることが期待されます。物質的に豊かになるだけではなく、精神的な豊かさも求めていかなければなりません。これからも「広告」という視点で海外を眺めてみると、経済やビジネスの裏側を垣間見ることができるかもしれません。Resoryでは世界各国で活躍する様々な業界のエキスパートと強力なネットワークを構築して、海外でのマーケティング・リサーチのお手伝いをさせて頂いております。もちろん、今回取り上げた海外の広告に関するエキスパートとの連携もございます。エキスパートと協業して、インタビューやアンケートなどを通じて、インターネットや既存メディアでは決して入手できない海外の活きた生情報をご提供させて頂くことが可能です。本ブログのテーマについて、実際にもっと奥深い内容や具体的な情報をエキスパートから収集することもできます。本ブログについて知見を持っているエキスパートから一次情報を聞いてみませんか?もし、エキスパートに聞いてみないと分からないことがございましたら、お気軽にコチラ(https://resory.jp/contact/)からお問い合わせ下さい。皆様からのご連絡を是非お待ち致しております。