Resory

お問い合わせ 資料ダウンロード

2022.08.27

【お菓子パッケージに見る日本と世界の違い】

C:\Users\kondo\Desktop\food-g79cd8c6df_640.jpg

 スーパーやコンビニに行くと、実に様々なお菓子が販売されています。これだけ豊富にお菓子の種類が揃っているのは、おそらく世界でも日本をおいて、他にはないでしょう。日本のお菓子は風味や食感だけではなく、パッケージにも工夫が凝らされています。まずは何よりも開けやすいこと。当たり前のことのように思われますが、海外のお菓子を買ってみると、袋をきれいに開けられないといったことは結構あります。そしてデザインにもセンスが感じられます。日本には、お菓子のサイズを偽ってパッケージに記載してはいけないという法律がありますが、パッケージが中身を裏切ることは、あまりないと思います。お菓子の描写感やシズル感、そして買い手に訴える工夫を施した高度なパッケージに仕上がっています。日本の消費者は厳しいと言われますが、そのような環境の中で、お菓子のパッケージも年月を掛けて、研ぎ澄まされて来たのではないでしょうか。今回の記事では、日本と海外のお菓子のパッケージを比較して、日本のお菓子が世界の人々から愛される秘密に迫ってみたいと思います。

日本のお菓子パッケージは実物大表示 

 日本には食品パッケージの表記やデザインを規制する色々な法律があります。例えば、商品内容とパッケージデザインが著しく異なる場合、誇大広告として、景品表示法に抵触する可能性があります。よく「画像はイメージです」というような注意書きがありますが、これは誇大広告だというクレームを未然に防止するための記載です。したがって、日本のお菓子パッケージには、商品の実物大がそのまま印刷されることになり、中を開けてみると、思ったより小さかったというようなことは、まずありません。海外のお菓子を手に取ると、この点が日本ほど徹底されていません。正確さを追求し、消費者を裏切らない細やかさは、やはり日本ならではの文化なのでしょう。

シンプルな海外のお菓子パッケージ

C:\Users\kondo\Desktop\pretzels-g7228d954f_640.jpg

 翻って海外のお菓子パッケージはどうでしょうか?日本にも海外から輸入されたお菓子がたくさん流通し、目にすることも多いです。様々なパッケージがあると思いますが、輸入食品店でよく見てみると、全般的には日本のものよりシンプルなデザインで構成されていると言えるでしょう。例えば、欧米のチョコレートやクッキー、プレッツェルなどを想像すると分かると思いますが、商品の図柄が大きく印刷され、使用されるパッケージカラーも少なめというイメージです。こういうシンプルな方が、私達にとってはレトロな感じがあり、却ってメッセージ性が強いという印象を受けます。中身が何であるかが、はっきりと伝われば良く、商品本位で勝負しているとも言えそうです。また、欧米のスナック菓子などは大容量タイプも多く、パッケージのサイズ自体が競争差別の要素にもなっています。日本のパッケージは、おまけや懸賞、アニメキャラクターの活用など情報量が満載な分だけ、見た目にも相当コストが掛けられています。それぞれの良さはあると思いますが、とにかく美味しそうと思って買ってみたけど、クオリティーが全然ダメだったという「商品の広告負け」だけは、消費者として避けて通りたいところです。

日本のお菓子は憧れの的?

C:\Users\kondo\Desktop\220818やっぱり日本のお菓子は最高!\微信图片_20220818081005.jpg

 東南アジアや中国で売られているお菓子を見てみると、おやっ?と思うことがたまにあります。お菓子のパッケージにひらがなやカタカナといった日本語が印刷されているのです。日本人が見ると、とても奇異に感じられますが、これは決して日本から輸入されたメイドイン・ジャパンの商品ではありません。現地のローカルメーカーが、お菓子のパッケージに独自に日本語を表記しているのです。実は日本語を表記した方が売れやすくなるという一種のマーケティング戦略です。アジアの人々は、日本を旅行した際、日本のお菓子を食べてみて、そのレベルの高さを認知しています。日本語を表記して、日本風を醸し出すことで、美味しそうだと印象付けることができ、商品価値を高められるというわけです。「北海道の〇○」とか「おいしい〇○」のような表現がよく見受けられます。フィリピンにLIWAYWAYという総合菓子メーカーがあります。東南アジアや中国では非常に有名な業界のトップ企業です。このメーカーの統一ブランド名は何と「Oishi」です!日本語の「美味しい」という言葉に触発されて、考案されたのではないでしょうか。日本のお菓子は海外でも愛されて、憧れの的になっているようです。

大手菓子メーカーも活用する最新AIツール

 昨今、日進月歩で進化を遂げているAIですが、いよいよお菓子のパッケージ領域にも活用されるようになってきました。カルビーや森永乳業など日本を代表する大手メーカーが、AIを活用したパッケージのデザインを始めています。日本のプラグ社が開発した「パッケージデザインAI」というツールは、過去の学習データを基にして、パッケージデザインの良し悪しをほんの10秒で評価できるということです。カルビーでは、このツールによるデザインを導入したことで、堅ポテトチップスの代表である「クランチポテト」の売上が1.3倍に増えました。AIによって、商品の開発期間を短縮化することができるだけでなく、トレンドに合わせて、パッケージデザインを頻繁に見直しすることも容易になってきました。日本の消費者の動向は移り変わりやすく、こまめな新商品の開発が欠かせません。店頭に並ぶお菓子の風味バリエーションが豊富なことからも、その事情はよく理解できると思います。そのような日本の市場特性からすると、AIで食品のパッケージデザインが可能になったことは画期的であり、今後も間違いなく主流になっていくでしょう。ますます洗練された日本のお菓子パッケージの登場に期待したいところです。 

まとめ

C:\Users\kondo\Desktop\halloween-candy-g6cc0ac056_640.jpg

日本の加工食品は、お菓子をはじめとして、本当に完成度が高いと言えます。海外旅行をしてみると、日本の高品質さを改めて痛感することでしょう。そして、その背景には、日本の消費者の要望やニーズがどんどんエスカレートし、それに応えるべく、メーカーがたゆまぬ努力を続けてきたことを忘れるわけにはいきません。これからも世界から賛美される日本のお菓子文化を守り、進化していくことを願うばかりです。Resoryでは世界各国で活躍する様々な業界のエキスパートと強力なネットワークを構築して、海外でのマーケティング・リサーチのお手伝いをさせて頂いております。もちろん、今回取り上げたお菓子や食品に関するエキスパートとの連携もございます。エキスパートと協業して、インタビューやアンケートなどを通じて、インターネットや既存メディアでは決して入手できない海外の活きた生情報をご提供させて頂くことが可能です。本ブログのテーマについて、実際にもっと奥深い内容や具体的な情報をエキスパートから収集することができます。本ブログについて知見を持っているエキスパートから一次情報を聞いてみませんか?もし、エキスパートに聞いてみないと分からないことがございましたら、是非コチラ(https://resory.jp/contact/)からお問い合わせ下さい。皆様からのご連絡をお待ち致しております。