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2021.10.18

【本格的に到来!電気自動車時代の幕開けへ】世界では電気自動車専用メーカーも誕生!

脱炭素社会へ向けた取り組みに呼応するように、世界では電気自動車(EV)の存在感が日増しに大きくなってきています。日本はまだまだガソリン車が多いので、電気自動車を身近に感じることが少ないかもしれません。しかし、世界に目を向けてみると、ヨーロッパや中国を中心に、電気自動車は確実に普及しつつあります。産業的に考えてみた場合、電気自動車の登場は、様々な変化をもたらします。動力源がエンジンからモーターに変わることは言うまでもありませんが、その他にもガソリン車で必要とされる多くのパーツが消えることになります。例えば、電気自動車は排気ガスを放出しませんので、マフラーは無くなります。そして、このような自動車の構造変化は、長年にわたって構築されてきた自動車産業のあり方やサプライチェーンにも大きな影響を与えます。「次に購入する車は、電気自動車」という方のためにも、電気自動車を取り巻く環境や産業構造の変化を整理して、ご紹介したいと思います。

電気自動車をめぐる世界の動き

先ずは電気自動車をめぐる世界の動きについて、見てみたいと思います。ヨーロッパでは、2040年頃にはガソリン車やディーゼル車の新車販売を禁止することがすでに決定しています。EUでは排ガス規制を厳格化してきており、今年に入ってから、さらに強化されました。自動車メーカーは規制に適った自動車を生産しなければ、罰金を科されるため、EVシフトなどへの対応を迫られることになります。また、中国では、2035年をめどにガソリン車を全面的に撤廃し、電気自動車などの新エネルギー車に変えていくことで検討に入っています。50%を電気自動車とし、残り50%はハイブリッド車(HV)にするということです。今後も世界各国で排ガスや環境に対する規制が強まると、ガソリン車の販売や輸出はできなくなります。電気自動車は排気ガスを出しませんから、自国の電気自動車を輸出する際も、海外の規制を気にする必要はありません。

今後の電気自動車市場の見通し

富士経済が発表したところによると、2035年には世界の乗用車における電気自動車の新車販売台数が、2020年比で11倍の2,418万台に達するとの見通しです。今後、車両価格が低下することで、大幅に販売台数が増加すると見込まれています。地域別に見てみると、ヨーロッパが2020年比で10.6倍の851万台、中国が同9.2倍の936万台に拡大し、両地域が電気自動車販売において、世界の主戦場になっていくことが予想されます。

(出典)2021年7月13日付 日刊工業新聞

電気自動車の構造

さて、冒頭でも述べた通り、電気自動車はガソリン車と比較して、部品点数の少なさが特徴と言えます。車体構造がシンプルにできているため、自動車の組立も容易とされています。したがって、これから多くの企業が電気自動車関連で、新規参入してくるものと思われます。

電気自動車の動力源は、エンジンからモーターに変わるため、モーターやバッテリーなどの部品に対する需要も、大きく拡大していくことが見込まれています。富士経済によると、モーター市場は2015年から2030年にかけて約3.5倍、車載/駆動用電池市場は同じく約4.1倍に膨れ上がると予測されています。

自動車産業の構造変化はいかに?

電気自動車はその構造がシンプルなゆえに、これまでのガソリン車のような完成車メーカーを頂点とした強固なサプライチェーンの必要性が薄れていくのではないかと考えられています。完成車メーカーからTier1、Tier2、Tier3といった系列部品メーカーにつながっていく自動車産業固有の産業構造が変化し、電気自動車の世界では、その重要性が低下していく可能性があります。よって、革新的な製品や技術を開発した企業が容易に新規参入することが考えられ、電気自動車業界の活性化が望まれるところです。従来の自動車メーカーの枠を越えて、競争力を有する企業が成長していくことに期待が持たれています。

世界の電気自動車メーカー

ここで、世界の電気自動車メーカーについて、ご紹介したいと思います。日本ではガソリン車メーカーが、電気自動車も開発していますが、海外には電気自動車専用メーカーも存在しています。

テスラ(アメリカ)

日本でも目にすることが多くなった電気自動車のリーディングカンパニー。代表者は世界的にも有名なイーロン・マスク氏。

BYD(中国)

中国を代表する民営自動車メーカーで、電気自動車に力を入れている。昨年トヨタ自動車は、BYDと電気自動車の研究開発で、合弁会社を設立することに合意した。

NIO(中国)

上海市に本社を置く新興の電気自動車専用メーカー。急速に拡大する中国の電気自動車市場で、存在感を増してきている。

小鵬(中国)

スマートEVの設計・開発・製造・販売を行う中国の電気自動車メーカー。「Xpeng」のブランドで電気自動車の販売を展開。

FOMM(日本)

日本の電気自動車ベンチャー企業で、東南アジアを中心に量産普及を目指している。タイに生産拠点を持っている。

まとめ

電気自動車は、100年に一度と言われる自動車産業の革命です。世界はその変革の真っただ中にあり、多くの企業がしのぎを削って、これからますます競争が激化していくでしょう。本文でも述べた通り、ヨーロッパや中国は国を挙げてガソリン車の規制に着手しています。ITや情報技術の分野で、次々と先端的なことを取り入れていく中国では、電気自動車の開発においても、すでに多くの電気自動車専用メーカーが誕生しつつあります。一方で、日本の状況はどうでしょうか?世界と同じようなスピード感で、電気自動車の普及に向けた動きが活発化しているとは言えなさそうです。日本にいると、どうしても変化をおそれる傾向があり、このような世界の変化や潮流には疎くなっているというのが実態ではないでしょうか。しかし、世界のビジネスは待ったなしの状況で、刻一刻と日々前進していきます。Resoryでは、お客様のご要望に応じて海外のマーケティング・リサーチをカスタマイズでご提供させて頂いております。海外の現場で活躍しているエキスパートとのネットワークを駆使して、お客様に活きた調査レポートをお届けさせて頂くことが可能です。世界の変化や動向を敏感にキャッチして、事業に活用していくためには、どうしてもリアルタイムでの海外の生情報が必要です。Resoryではそのようなお手伝いをさせて頂くことができますので、海外調査でお困りの場合は、是非一度お気軽にご相談下さい。