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BLOG 2021.08.25

アメリカの輸出規制「EAR」はソフトウェアも対象!?【IT技術・ソフトウェアに関するアメリカの規制】

輸出だけでなく再輸出も要注意!アメリカに限らず海外との商取引には様々な規制についても考慮しなくてはなりませんが、特に注意が必要なのは日本の法律だけでなく詳細に取り決めがあるアメリカとの商取引です。アメリカで開発されたソフトウェアを輸入し、加工したり、そのまま他国に輸出する。これがもしかするとアメリカの輸出規制に引っ掛かり制裁を受けてしまう可能性があることはご存知ですか?一度でも漏れてしまえばアメリカ中から締め出され、果ては他国との取引にも甚大な影響となりかねないのがアメリカのEAR。IT企業にとって当たり前に行っているソフトウェアの輸出も規制対象となることも。またアメリカからのソフトウェアを加工した扇風機を輸出して規制対象となることもあります。

IT企業だけでなく、アメリカに関連するソフトウェアやIT技術を輸出・再利用する際にチェックしておくべきアメリカの輸出規制”EAR”について解説してまいります。煩雑に取り決められているEARについてできる限りわかりやすく簡単にまとめましたのでチェックしてみてください。

EARはアメリカとの商取引(アメリカから輸出・再輸出)で注意すべき輸出規制

アメリカの輸出規制についてみていくと必ず目にする”EAR”、これはアメリカの輸出管理規則のことで「Export Administration Regulations」の略です。このEARはアメリカの管轄権の及ばない国においても適用されるものなので、アメリカとの商取引を行う際には注意しておくべきもの。輸出だけでなく再輸出取引にも適用されることも要注意です。これは物質的な商取引(アメリカ原産の貨物)だけでなくソフトウェアのような技術についても適用され、日本の外為法だけでなくアメリカの米国法のもと許可を受ける(商務省)必要があります。アメリカの法律に背くような実態があれば制裁が実施されるのですが、違反した企業(個人・機関含む)は各種リストに掲載されることになり、そこに掲載されれば実質的にアメリカの様々な企業との取引ができないという事態に陥ってしまうことになるので確実に許可をとるようにしなくてはなりません。

アメリカと再輸出 どんな取引?

再輸出というのは、アメリカから日本企業が輸入した貨物や技術を他国へ輸出することを指します。アメリカ原産の貨物や技術を加工したもの、また加工されたものを含むものも対象になるので注意しましょう。

アメリカの輸出規制(EAR)にはすべての品目が対象なのか

結論から言えばNOです。対象製品、輸出国、輸出先(輸入者)、輸出用途の4要素により規制対象になるかが異なります。品目について特に注意すべき(=許可が必要な可能性が高い)ものは「CCL(Commerce Control List)」に掲載されているので確認しましょう。EARでは対象ではないものの、国務省・財務省・原子力規制委員会・エネルギー省などに輸出・再輸出が管理されている製品もあるのでこちらも注意が必要です。

アメリカで開発されたソフトウエアを部品として組み込んだソフトウェアの輸出の扱いについて

加工すればそのものを輸出するわけではないからOK?と思ってしまうかもしれませんがこれも注意が必要です。複雑な条件が設定されているので簡単にまとめると… “ソフトウェアの再輸出については、『CCLに該当するソフトウェアが部品として組み込まれたものを加工した』場合でも該当してしまうケースがあります。CCLに該当するソフトウェアが組み込まれたソフトウェアや商品、技術も該当するのですが、技術面においては最低限のライン(デミニマスレベル)も設けられておりこれを超えない場合のみ規制対象外となります。ただしキューバ・イラン・スーダン・シリア・北朝鮮に向け再輸出する高性能コンピュータ(ECCN 5E002で規制される暗号技術が含まれるもの)はEAR対象となる、中国に向けた600番台品目もしくは9X515を組み込んだ製品はEAR対象、そのうえデミニマスルールも適用されないので使用割合にかかわらずEAR規制対象となるなど、詳細に定められています。” CCLに該当するかどうか見極め、さらに詳細な条件を確認しながら問題ないか確認しながら許可をとるなどしなければならず、見落とすと今後のビジネスに多大な影響が出てしまうため、コンサルタント企業などに協力を仰ぐケースも多いのではないでしょうか。

EAR対象となるCCLに掲載される品目概要

アメリカからソフトウェアを輸入する、そしてそれを加工して再輸出する場合にCCLに該当するかどうか調べるには該当するカテゴリのD:ソフトウェアのグループをチェックすればよいといったように品目ごとに詳細に記されています。対象となる製品・技術については規制する理由や規制レベル、また許可の例外適用についても記載されています。ただしここでも注意が必要な取り決めもあります。商務省管轄にある製品・技術なのにCCLに記載がない場合(EAR99に該当する品目)については、通常許可は不要の扱いではありますがアメリカからの輸出を禁じている国・その懸念のある企業・大学などのエンドユーザーに向けた再輸出の場合にはその限りではないケースも。その場合にはEAR744補足4のエンティティーリストを参照し確認しなくてはなりません。ここまでにまとめた内容だけでも実はかなりの文章量があります。読み解き、間違いのない商取引とするためにはかなりの手間も知識も要するため、自社内でなんとかしようというケースは少ないのです。

アメリカの輸出規制 2020年カナダ以外の国を対象とした規制発行

軍事的なことも含め技術の流出を懸念し対策することがEARの最大の目的ですが、2020年1月にアメリカはカナダ以外の国への輸出を対象としたこのような輸出規制を発効しています。『地理空間画像分析を自動化できるAIソフトウェア』についてはアメリカ国内すべての企業が許可を申請しなくてはならないというもの。ただ自動で分析できる、というものではなく『地理空間画像から自動車や家などの物体を識別できるようにするソフトウェア』のほか『ピクセルのゆがみを補正し物体のポジティブサンプルとネガティブサンプル双方を抽出できるソフトウェア』、『サンプルから認識対象を検出するための深層CNN(深層畳み込みニュートラルネットワーク)を訓練するためのソフトウェア』も含まれているのです。このように実際に近年発効された修正条項だけ見ても複雑になっており、ぱっとみて判断することが難しいのでEARについては慎重に判断すべきということを覚えておくようにしましょう。

IT社会は特に注意が必要!アメリカから輸出・再輸出はソフトウェアのEAR判断は慎重に!

ここまでIT企業ときっても切り離せないソフトウェア、またIT技術を活用した製品開発を行う企業がアメリカとの商取引する際に注意すべきEARについて解説してきました。わかりやすくまとめてはみましたが、特に条項や該当品目について、またチェックすべき各種リストもそれぞれがかなり詳細に取り決め記されています。丁寧といえば丁寧…ではあるものの、正直IT企業にとっても、製品開発をしている企業にとってもアメリカの法律を熟知しスマートに判断することは容易とは言えません。

とはいえ、アメリカの輸出規制に違反し制裁を受けてしまえば、アメリカ全土から締め出されてしまう、その影響から他国を含む多くの企業との商取引ができなくなってしまう可能性もあります。確実に、そして慎重に判断すべきEARについては専門的な知識を有する業者のサポートを受ける企業がほとんど。例えばResoryでは、アメリカの名だたる企業で要職につき現役のエキスパートとして活躍する人材との独自のネットワークがあります。アメリカで現地の情報を得てビジネスを回している人材から直接現地の情報をResoryが吸い上げ、御社のマーケティングに生かせる、そしてEARの対策も含めたレポートを作成してお届けできるため、煩雑な資料を読み解く負担もなくなります。ネット上で様々な情報が入手できる今の時代にあってもタイムラグが生じてしまう海外との取引において、Resoryはそのタイムラグを極限まで短縮し確実かつスムーズなビジネス展開をサポートさせていただきます。今後のグローバル社会を賢くスマートに勝ち進んでいくためにも、まずはご相談からお待ちしております。