BLOG 2021.08.10
新型コロナ禍にあって今後もインバウンド以上に注目すべきアウトバンド消費で、今後の中国における日本家電のマーケティング戦略を練るには 『どのようなユーザーに日本ブランドの家電が支持されているのか知りたい』 とお考えだからこそ、ここをご覧いただいているのではないでしょうか? 少し前まで春節の時期には中国人旅行者による爆買いで、日本メーカーの家電が売れに売れているというニュースは毎年の風物詩のようにもなっていました。 『日本の家電は質が良い』 ということはすでに中国のみならず海外の方々には十分に認知されています。 それを踏まえてインバウンド消費が大きく落ち込んでいる今こそ、 ネット社会が日本以上に進む中国というビックマーケットでのアウトバンド消費をどのように獲得するかを検討すべき時期。 これまでとは違う戦略が求められる”今”必要なものは何か、それをこれから解説してまいりますのでぜひ最良の方法を検討する材料としていただければ幸いです。
Contents
2020年夏にインターネット行動ログ分析にたけたマーケティング企業の株式会社ヴァリューズが中国人の男女600人に行った家電購入に関するアンケート結果で興味深いデータがでました。
上記の図をみてみると
といったことがわかります。 さらに詳しく各家電ごとに、どの国の商品を購入したか、またそのブランドはなにかを見ていくと中国の商品がやはり多いものの、どのような日本ブランドが好まれているのか傾向がつかめてきます。 結果的に中国市場で支持されている日本家電は「パナソニック」が強いのですが、なぜパナソニックなのか、それに対抗するためにはどうしていくか、ということを深堀していくことこそ中国マーケットの攻略法でもあり、中国調査する際の要になるポイントでしょう。
家電ごとにどのブランドの商品が支持されているか、中国の国民性も垣間見えると感じられるのは「掃除機」です。 基本的に中国で支持される家電は、No1が中国、次いで日本という結果になっていますが掃除機だけは勝手が違います。 掃除機というと…日本でも愛用される方も多いイギリスのメーカー「ダイソン」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか? ヴァリューズの調査結果でも30%ほどの方がダイソンを選んでいるということがわかりました。 いわずと知れたダイソンは「他には追従できないほどの吸引力があり、それが劣化しない」ことが大きなウリとしている商品です。 掃除においてこれは強力な魅力となるポイントですから、中国のみならず日本においても愛用者が多いのも納得。 中国の国民性の一つに「効率を追求する(実質的な利益の追求)」というものが挙げられています。 家電とはそもそも生活を便利に、そして快適にするために用いられるものということを考えると、中国マーケット攻略にはこれが大きなポイントとなることは間違いないでしょう。
中国の人々が家電を選ぶ際、その国民性から『機能性』が重要であることは言うまでもありませんが、それだけでは足りません。 どのようなポイントで家電購入を決意するのか見ていくと…
が主な柱となっており、どれも同じような比率で重視されているのですが、日本家電を購入したユーザーに限定してみると「メーカー・ブランド」がもっとも重視されていることが分かったのです。
中国人購入者に重視されているのはこれ、とわかったところで今後のマーケティング戦略として自社製品をどのように打ち出していくか、またどのようなブランドであるべきかを検討していきましょう。 機能性・安全性・価格といった面で基準をクリアし中国人ユーザーの目にかなう商品を販売することはもちろんですが、それ以上に「このブランド・メーカーだから欲しい」と思わせるポイントが必要というのも中国マーケット攻略のポイント。 「どのようにブランディングするべきか」ということに比重を置きつつ中国調査をすすめていきましょう。
マーケティング戦略を展開するうえで、競合がどのようなものを販売し支持に至っているのか知ることも重要です。 これについてNTTコムリサーチが国内で調査した結果によると、「中国・台湾・韓国の製品を購入した理由」は…をみてみましょう。 (※中国人ユーザーが価格面で特に支持をしているデジタル・AV機器でみてみました)
※中韓台メーカーのデジタル・AV機器家電の満足度調査より「とても満足・まあ満足」と回答があったものを抜粋 特に大きく支持を集めていたのは「価格」でした。 日本における意識調査でも、やはり価格は重要で、そのうえで機能性・操作性・デザイン性が重視された結果、中国・台湾・韓国製品が購入されているという実態がわかります。
中国においてもその質の良さから支持されている日本ブランド・メーカーの家電。 特に日本ブランドの白物家電は中国人の中でも比較的高所得世帯に好まれているということはお伝えした通りです。 どのようなポイントで家電を選んでいるか、ということもここまでお伝えしてきましたが、最後に検討すべきは「どこにどうやって自社製品・ブランドをアピールしていくか」ということでしょう。
ネット活用が広く普及している中国、ロックダウンなどの影響もあり以前以上に「インターネット上での買い物」が当たり前になっており、効率を求める中国の国民性をふまえても新型コロナの影響がなくなっても急になくなることは考えられません。 「どこにどうやって自社製品をアピールしていくべきか」というこの問題を解決するために忘れてはおけないのは「中国は移り変わりが速い」ということに比重を置きつつ中国調査をすすめていきましょう。 日本にいながらもインターネットで調べるとある程度中国事情を垣間見ることはできる時代ではありますが、実際中国に生活している方に聞くとギャップがあるのは間違いないのです。
Resoryは中国でマーケティングのエキスパートとして活躍している大手企業の部長クラスの人材とのネットワークがあります。 そのネットワークを生かし、日本でできる中国調査の結果と、中国現地のエキスパートによる現地にいるからこそわかる調査結果を踏まえた結果を御社にリポート結果としてご提示します。 ネット上で買い物をする前には口コミなどを念入りにチェックしている中国人ユーザー。 今本当にアピールすべきはどこなのか、どうやってアピールするのがこの商品にとってもっとも効果的なのか、またターゲットに合わせてどのような製品とすべきかといったこともお伝えします。 移り変わりが速く様々な方法で情報収集している中国人ユーザーに対してもっとも有効で効率的なマーケティング戦略を一緒に検討してみませんか?