
「調査はしたはずなのに、動けない」 多くの企業が直面するジレンマ
新しい市場に踏み出すとき、最初に求められるのは情報です。市場規模、成長率、競合の動向……。手元にはデータが揃っている。社内でも議論は一通り終えた。けれど、最後の一歩を踏み出すには、まだ何かが足りない。
たとえば、数字としての「市場規模」はわかっていても、その市場にどう参入すべきかの戦略が見えない。競合企業の売上は把握できても、「なぜ売れているか」という本質的な要因がつかめない。あるいは、海外企業との提携やM&Aを検討していても、現地の実態やリスクが読み切れない。
こうした“調査の壁”を乗り越えるために、今あらためて注目されているのが「エキスパートインタビュー」という手法です。数字や公開情報では見えてこない、現場の実態やリアルな声を、業界の実務経験者(エキスパート)から直接聞くことで、意思決定に必要な“確信”を得ようというアプローチです。
エキスパートとは誰か?
ここでいう「エキスパート」とは、単なる評論家や学者ではありません。Resoryでは以下のように定義しています。
エキスパートとは、ある業界で実際に意思決定を担ってきた実務経験者です。
たとえば、
•海外現地の営業責任者
•グローバル企業の技術開発担当
•競合企業の元事業責任者
•新興市場で製品導入を進めた担当者 など
彼らは、机上の理論ではなく、現場を動かしてきた立場だからこそ、公開情報では得られない「一次情報」や「判断の背景となるリアル」を語ることができます。
Resoryが行うエキスパートインタビューでは、まさにこのような“現場の当事者”に焦点を当て、知識ではなく経験に基づいた情報を収集しています。
エキスパートインタビューとは何か?
エキスパートインタビューとは、こうした実務経験豊富な人物に1対1で話を聞き、定量データでは得られない「現場のリアル」「事業の肌感覚」「暗黙知」を引き出す調査手法です。
たとえば、ある国の流通構造や商習慣、競合企業の販売手法や戦略の実態、顧客が商品を選ぶ際の評価軸、制度や認証の運用上の壁など。こうした情報は、経験者に話を聞かなければ得られないケースが多くあります。
なぜ今、定性情報が求められているのか
2010年代は「ビッグデータの時代」と言われ、あらゆるビジネスの意思決定に定量的なデータが活用されてきました。しかし2020年代に入り、その反動として、定性情報の重要性が再び高まっています。
Googleのマーケティング責任者は「定性調査のほうが定量より重要」と明言し、スマートニュース創業者の西口一希氏も「N=1の深掘りこそが事業を伸ばす」と語っています。
ビッグデータは「あなたに似た誰か」については教えてくれますが、「あなた自身」については教えてくれません。エキスパートインタビューは、定量調査では捉えきれない本質を掘り下げる手段として、ますます必要とされているのです。
Resoryが提供するエキスパートインタビューの特長
Resoryのエキスパートインタビューは、調査設計からインタビューの実施、レポート化までを一貫して提供するサービスです。
登場するエキスパートは、グローバル企業の経営層や技術責任者、現地の販売責任者など、業界の中核で意思決定を担ってきた実務家たち。調査目的に応じて、特定領域での知見を持つ人物をリクルートし、最適な質問設計を行います。
インタビュアーは戦略コンサルティングファーム出身者など調査経験豊富な人材が担当し、事前に構造化された質問票をもとに、60〜90分で効率的かつ深掘りのあるヒアリングを行います。
活用シーンと成果
エキスパートインタビューが真価を発揮するのは、「意思決定の直前」です。新規事業の立ち上げ、仮説検証、海外進出の現地理解、競合の実態把握、製品改良やユーザーのインサイト抽出など、いずれも定量データだけでは踏み込めない領域で、現場の当事者の声が決め手になります。
特に海外市場の調査では、公開情報やデスクリサーチだけでは限界がある中、現地プレイヤーからの一次情報が、戦略判断に大きな影響を与えます。
成功事例:食品メーカーが「進出しない」という意思決定に至った理由
ある国内大手食品メーカーが、特定カテゴリの商品で北米進出を検討していました。そこで、先行して現地で成功している韓国メーカーの関係者にインタビューを実施し、販売チャネルの選定や過去の設備投資状況、マーケティング戦略の詳細を把握しました。
結果として「後発で参入しても勝てない」という結論に至り、数億円規模の投資を回避。他事業へのリソース再配分につなげる意思決定ができました。
このように、たった数回の対話が、経営判断の精度を大きく高めることがあります。
調査を「役立つ結果」にするために
エキスパートインタビューは非常に強力な調査手法ですが、設計や人選が不十分だと、偏った情報に頼ってしまうリスクもあります。
そのためResoryでは、調査の目的を明確にした上で、事前の仮説整理やスクリーニング質問によって、知見の質・熱量ともに高いエキスパートだけを選定。さらに、複数の視点を組み合わせたレポート作成により、バイアスを避けた解釈を重視しています。
エキスパートインタビューを検討される方へ
Resoryでは、単に話を聞くだけでなく、「意思決定に本当に役立つ情報を、どう設計し、どう引き出すか」にこだわっています。
もし「この領域の現場を知る人に話を聞きたい」「自社で判断材料が足りないと感じている」そう思ったら、ぜひ一度ご相談ください。数値では届かない現場の知恵を、確実にお届けします。